白い竜と黒い竜“その3”
シロンが階段から落ちた日から一ヶ月程経ったある日の出来事である…。
シュ「っだぁ〜!遅刻する〜!」
今の時刻は朝の六時半を少し回ったところである。
寝坊してしまったシュウは慌てて着替え、朝食を食べたがこの時間ではキックボードを使っても学校には間に合わない。
シュ「ど、どうしよう…そうだ!!」
シュウは何かを閃き二階へと猛ダッシュする。そしてシュウが辿り着いたのは二階にあるシロンとランシーンの部屋。
シュ「シロン、起きろ〜!」
そう叫び、寝ている二竜の白い方、シロンを起こしにかかる。
シ「うっ…ったく、うるせーな、何なんだよ朝から!」
シロンが怒鳴る。
シュ「お願い!シロン、俺を学校まで送ってって!学校に遅刻しそうなんだ!」
シ「はぁ?何言ってんだ…お袋さんのヨウコさんか親父さんのサスケさんに車で送ってもらえばいいだろ?」
シロンがそう言うとシュウは言った。
シュ「二人とも朝早くから仕事に出かけていないんだよ…頼むよ、シロン。」
その時ランシーンが五月蝿いと言った感じで目を覚ました。
ラ「朝から何なのですか、騒々しいですね…」
シ「ランシーン、少し黙っててくれ。」
ラ「分かりました…」
シ「分かったシュウ、お前を今から学校へ送って行ってやる。」
シュ「ほ、ホントに!?」
シ「本当だ、その代わりかなり急ぐからしっかり掴まれよ?」
そう言ってシロンはシュウにウィンクした。
シュ「サンキュー、シロン!!」
そう言い、シュウはシロンの背中に登り、しっかりと掴まった。
シ「ランシーン、ちょっと行って来っからな?」
シロンは喋りながらベッドの脇に置いてあったポーチを取り、腰に下げる。
ラ「分かりました、気をつけてくださいね?」
シ「あぁ、すぐ戻る。」
シロンはランシーンに微笑み、シュウが背中にしっかり掴まった事を確認して、窓から勢い良く飛び立った。
ラ「窓からは出ないようにとあれほど言ったのに、まぁ…急いでいましたし許すとしましょう…。では、もう少し寝るとしますか…」
ランシーンはその後再び眠りに付いた。一方シロンとシュウはニューヨークの町を猛スピードで飛んでいた。
シュ「こ、怖い〜〜!!もう少し優しく飛んで〜!!」
シュウは半泣きである。
シ「お前が寝坊したからだろうが!」
シロンが呆れた顔でシュウを見る。
シュ「ひぃ〜〜!!」
それから十分と経たないうちにシロンとシュウは学校に到着した。
シ「着いたぜ、シュウ?」
シュ「ま、間に合っ…”パタン”」
シュウは目を回してしまったらしい。
シ「おい、シュウ!」
シロンがシュウの肩を掴んで揺さぶる。
シュ「う、うぅん…」
シ「早く教室に行け!俺が早起きした意味が無くなるだろうが!」
シュ「ご、ゴメン…そんじゃぁ行って来る…」
そうシロンに言い、フラフラしながら校舎に向かうシュウ
シ「少し急ぎすぎたか…?」
シロンがそう考えていた時、シュウが下駄箱からシロンに向かって言った。
シュ「そうだ、シロン!今日はギザ夫ん家に寄って帰るから、帰り遅くなる!」
シ「分かった!つーか、あいつ回復が早いな…」
シロンはそうぼやきつつ、シュウに軽い挨拶をして飛び立った。
シ「ふ〜、疲れた疲れた。ホントにあいつは”おっちょこちょい”だよなぁ…。」
シロンはそう言い、軽く笑った。
シ「そうだ、久々に”アレ”使うか…」
シロンは呟いて、腰に下げてあるポーチ(シュウの母親、ヨウコに作ってもらった物)を漁った。
シ「どこだ?”ガサゴソ…ガサガサ…”あったあった。」
そしてシロンが少々嬉しそうにポーチから取り出したのは大きめのミュージックプレイヤー
(コレは特別にシュウの父親、サスケに作ってもらった物)だ。シロンはヘッドフォンを掴み、ポーチから取り出すと、飛行帽の上からそれを装着した。
シ「お〜し、何を聴くかな…」
シロンはゆっくり飛びながらミュージックプレイヤー小さなディスプレイを見る。
シ「コレなんか良いんじゃねえか?」
そう言い選曲した曲は映画、トップガンのテーマ曲である。シロンは無意識に音量を上げ、ノリノリの状態で家へと向かった。
シ「音楽ってモノを聴きながら飛ぶのアリだな。」
そうしてシロンが家に着いたのはトップガンのテーマ曲を二回ほど聴いた頃だった。
シ「ふぅ〜」
シロンはヘッドフォンを外してミュージックプレイヤーの電源を切り、ポーチにしまった。
シ「これでいいな」
自分にそう言い聞かせ、家の玄関を開けて入り、自分とランシーンの部屋へと戻る、しかしランシーンは居なかった。
シ「あれ?あいつ何処に行ったんだ?」
シロンは整えられたベッドを見てしばし考え、一階のリビングへと行った。
シ「ここにも居ねぇな…。」
その時、バスルームから鼻歌が聞こえてきた。
シ「んぁ?あいつ風呂に入ってんのか…?」
シロンは確かめにバスルームへと向う。
シ「やっぱりそうだ、間違いねぇ。」
バスルームの手前にある更衣室に、ランシーンの黒い衣服が截たんで、置いてある。
シ「珍しいな、あいつが朝風呂なんて…」
シロンが頭を捻っていたその時、ランシーンの鼻歌が止まった。
シ「ん?」
ラ「シ、シロン?」
ランシーンが不意にシロンの名前を呼んだ。
シ「あ、あぁ…す、すまねぇ…ランシーン。」
ラ「謝ることは無いですよ?気配を感じましたから、もしかしたらと思いましてね。」
ランシーンがバスルームのドア越しに言い、”フフフ…”と笑う。
シ「つーか、ランシーン。玄関を開けっ放しって危なくねぇか?」
ラ「え…開いていましたか?」シ「開けっ放しだったぜ?」
ラ「鍵を掛け忘れてしまったみたいですね…私とした事が。」
ランシーンが呟く。
シ「ランシーン?」
ラ「何ですか?」
シ「その、俺も…入って良いか?風呂。」
ラ「えぇ。良いですよ?シロン。」
シ「悪いな、汗かいちまって。」
そう言いつつ、シロンはグローブと飛行帽、装飾品を外した。
シ「入るぞ〜?」
ラ「どうぞ。」
シロンはランシーンの返事を聞いて、バスルームのドアを開けた。ランシーンは湯船に浸かり寛いでいる。(このバスルームはかなり広くシュウが余裕で泳げるほどだ)
シ「おっと、まだ言ってなかったな。一応”ただいま”だ。」
シロンはおずおずと言った。
ラ「ご苦労様。そしてお帰りなさい、シロン。」
シロンは早速、シャワーのハンドルをひねり、お湯を全身に浴びる。
シ「あぁ〜、気持ち良いなぁ…」
ラ「フフ…」
ランシーンが微笑む。
シ「ランシーン、お前もう身体洗ったのか?」
シャワーを浴びながらシロンが聞く。
ラ「まだですよ?少し前にシャワーを浴びて入りましたから。」
シ「そうか…身体洗ってやろうか?」
ラ「え?良いのですか?」
シ「背中とか洗いにくいしな、どうせなら二人で洗い合った方が楽だろ?」
ラ「そうですね…ではお願いします、シロン。」
そう言いランシーンが湯船から出てきた。思わずシロンはガン見してしまう。
ラ「そんなに見ないで下さい…恥ずかしいですよ、シロン?」
シ「わりぃ、ついつい…」
シロンが謝っている間にランシーンがシロンの前の床に腰を下ろした。
ラ「なるべく丁寧にですよ?」
シ「分かってるって」
シロンはひとこと言ってランシーンの背中を流し、洗う。ゴシゴシゴシゴシ…。
ラ「ふぅ〜、気持ち良いですよシロン… 」
シ「そうか?」
ラ「はい…」
ランシーンは完全にリラックスしている。
ラ「そろそろ良いですよ、シロン?」
シ「おぅ、じゃあお湯かけるから目を瞑れ。」
ラ「良いですよ…」
ザバァッ…。そしてシロンはランシーンの身体を洗い終わり、交代した。
シ「テキトーで構わねぇからヨロシク。」
ラ「いいえ、きちんと洗いますよ。」
シロンに有無を言わさずランシーンはシロンの背中を洗い始めた。
シ「うお〜、洗われてるって感じだぜ…」
ラ「それはそうでしょう?」
ランシーンはシロンの顔の横に顔を出し、呟いた。
シ「それもそうだな…」
ラ「何ですか、その言い方は…」
そうこうくだらない会話を交わし合った。数分でランシーンもシロンの身体を洗い終わり、二竜揃ってバスルームから出て更衣室に入った。
ラ「シロン?」
シ「何だ、ランシーン?」
シロンはランシーンに聞き返す。
ラ「今から自分の服を磨くのですが(ワックスみたいな物で)ついでにシロンの装飾品や飛行帽とグローブを磨いておきましょうか?」
シ「良いのか?」
シロンは申し訳なさそうに聞く。
ラ「良いですよ、ついでですから。」
シ「何か悪いな。」
ラ「お構いなく。その代わり少し時間が掛かりますから、しばらく裸で居る事になりますよ?」
シ「別にいいぜ。そうだ、二階の俺達の部屋に行って俺寝るわ、朝に叩き起こされて外出時間十数分とは言えまだ眠いからな。」
ラ「分かりましたシロン、ゆっくり休んでいて下さい。磨き終わったら持って行きます。」
シ「サンキューな。でもランシーン、磨き終わったらお前はどうすんだ?」
シロンが聞く。
ラ「私は新聞を読みながらコーヒーでも飲みますよ、もうそろそろ七時半ですしねぇ…」
そう言い、ランシーンはニコリと笑う。
シ「そうか、んじゃお先に。」
そう言ってシロンは更衣室から出て、二階にある自分達の部屋に向かった。
ラ「さてと、始めますかねぇ…」
裸のランシーンは自分の服とその他の物を持ちリビングへ行き腰を下ろした。
ラ「まずはシロンの飛行帽からですね…」
そう一言呟き、右手にワックス、左手に飛行帽を持ち作業を開始した。
その後、飛行帽に続きグローブ、装飾品そして自分の衣服にワックス(磨き)をかけ、終了。
ランシーンは少し休憩して裸のままシロンと自分の衣類を持ち、二階にある自分達の部屋へと向かった。
ラ「私も少し寝ましょうか…」
階段を上がりながらランシーンは言った。
ラ「ふぅ〜、さてと…」
二階に着いたランシーンは自分達の部屋のドアの開け、中に入った。カーテンは閉まっていて少し明るいが、暗い。
そこにはベッドの上で気持ち良さそうに寝る裸のシロンの姿があった。
ラ「シ……」
ランシーンはシロンの名前を呼びかけたが止めた。
ラ「美しい…」
そう呟き、寝ているシロンに近づく。
シ「スゥ〜、スゥ〜…」
シロンの静かな鼾が聞こえてくる。
ラ「シロン…」
ランシーンは何を思ったか、シロンの頬にキスをした。すると、次の瞬間シロンが目を覚ました。
シ「んぁ…ラン…シーン?」
ラ「す、すいませんシロン…」
ランシーンがシロンにおどおどしながら謝る。
シ「気にすんな…逆に嬉しかったぜ?」
微笑みながらシロンが言う。
ラ「……」
シ「ランシーン?どうかしたのか?」
ランシーンは押し黙ったままだ。
シ「おい、ランシーン?」
シロンが心配そうにランシーンの顔を覗き込んだ。
ラ「シ、シロ…ン…」
ランシーンが口を開く。
シ「何だ、ランシーン?」
ラ「私…を…」
ランシーンは途中で押し黙る。
シ「お前を?」
シロンはランシーンの顔を覗き込んだまま聞き返す。
ラ「私を…抱いてください…」
シ「っ!?」
シロンが驚く、それは無理も無かった。いつもはシロンがランシーンを求めていたのだから…。
以前の二回ともカタチはどうであれシロンがランシーンを求めた、しかし今回はランシーンがシロンを求めた。
ラ「お願いしますシロン…私はもう我慢が出来ません…シャワーを浴びているあなたを見たときから…」
シ「おいおい、ホントに良いのか?風呂は入ったばっかだぜ…?」
ラ「構いません、さぁ早く…」
ランシーンは俯いたままそう言った。
シ「でもなぁ、ランシーっ!?」
シロンが言葉を発する時間を与えずランシーンがシロンにディープキスをした。
シ「んん!」
ラ「ん、うん…」
ランシーンはシロンの口の中を舌でまさぐり、シロンの歯茎をなぞる。
シ「ラン…シーン」
シロンはすっかりランシーンのペースに乗せられていた。
ラ「ふぅ…あなたの口の中はやはり甘いです…」
シ「恥ずかしいから言うな…」
二竜はしばらくしてキスを終え、見つめ合った。
シ「実は…実は俺も…風呂に入ってるお前を見た時からしたいと思ってた…」
恥ずかしそうにシロンが言った。
ラ「そう…でしたか…嬉しいです」
ランシーンがシロンを強く抱きしめる。
シ「ランシーン…大好きだ…」
ラ「えぇ、私もです…シロン…」
ふいにシロンがランシーンの股間に手をなぞらせた。
ラ「んん…はぅ…」
シ「気持ち…良いか…?」
ラ「はい…とても…ぅん…」
しばらくしてランシーンの性器が露になった。
3−2へ