恋の闇【18禁版】
たとえ、ハムスターのようなねずみのような姿でも。
たとえ、しばらく本来の姿に戻れないとしても。
たとえ、何があったとしても。
この状況が幸せだと思える。
秘密基地の丸い窓。
その窓枠に小さな飛行帽と手袋をしている白いハムスター・・・もとい、ねずっちょの姿があった。
すでに定位置となったその場所で風を静かに感じながら、ねずっちょ・シロンはずっと空を見つめていた。
「・・・GA?」
(From here we are tuned into Mouse Language. ここからはネズミ語版でお送りします。)
「・・・ん?」
ねずっちょ・シロンの視線の先に、小さな黒い点が姿を現し、シロンは身を乗り出した。
深緑のチョッキを着た黒いハムスター・・・もとい、わるっちょ・ランシーン。
その姿がハッキリと見えてくると、ランシーンが自分の身体より大きな紙袋を持っているのに気付いた。
「ただいま、シロン」
「おかえり〜♪って、その袋は何なんだ?」
「ちょっとした戦利品ですよ、お土産を兼ねたね」
わるっちょ・ランシーンが自分の隣に降り立ったのと同時に、ねずっちょ・シロンは飛びついてランシーンの帰還を喜んだ。
ランシーンは苦笑しつつもシロンを抱き締め返し、自分の背後の紙袋を睨むシロンに不敵な笑みを見せた。
だが、シロンからは予想通りの反応は返って来ず、ただ自分に抱きついたまま黙っているシロンにランシーンは首を傾げた。
「・・・シロン?」
「・・・・・・怖かった・・・」
「ぇ?」
「・・・目が覚めた時・・・傍に、お前がいなかったから・・・」
わるっちょに抱きついて震えるねずっちょ、もとい、ランシーンの腕の中で震えるシロン。
自分の肩口に顔を埋めて涙声で話すシロンの背中を、ランシーンは優しく撫でた。
「・・・すまなかった」
「オレの知らない内に、どっかへ行くな!心配するじゃねぇか!!」
開き直ったのか、ランシーンの正面から睨むシロン。
上目遣いで潤んだ瞳で睨まれても、ランシーンにとっては可愛いだけ。
むしろ理性の箍が飛びそうになって、内心で葛藤しているくらいだ。
「私が悪かった・・・だから泣くな、シロン」
「な、泣いてねぇよ!」
「そうか?」
「んっ、あぁ・・・みっ、土産って何なんだ!?」
シロンは目尻に浮かんだ涙をランシーンに舐め取られて顔を赤らめながらも、無理矢理話題を転換して濃密になりそうな甘い空気を紛らわせた。
ランシーンは少し不服そうになりながらも背後に振り返り、紙袋を横に倒して破った。
そして見えたものに、ねずっちょ、もといシロンは瞳を輝かせた。
「ドーナッツ!」
「お前の好きなチョコレートドーナツにトッピングがかかったものだ。前に散歩した時に『食べたい』と言っていたでしょう?」
「覚えていてくれたのか・・・サンキュー、ランシーンv」
「礼なら言葉でなく態度で・・・」
「美味い♪」
「って、人の話は最後まで聞けっ!」
わるっちょ、もといランシーンに礼を言った瞬間には、シロンはドーナッツに飛びついて齧りついていた。
自分の身体の3倍はあるドーナッツに一生懸命に齧りついて、とても嬉しそうに食べてるねずっちょの姿は凄まじく可愛らしい。
ランシーンはその見ているだけで癒され微笑ましいと思える光景を、優しい笑みを浮べて見守った。
幸せそうに嬉しそうに食べるシロン、その笑顔を見れただけで、店からドーナツを盗んだ時の苦労やネコとの激しい追走劇などの並々ならぬ 苦労も報われるというものだ。
シロンはランシーンが甘い物が苦手だと知っているから、ランシーンにドーナツは勧めない。
そしてだからこそ、自分は絶対に食べないドーナツを持って帰って来たランシーンの気持ちが嬉しくて堪らなかった。
優しい微風が吹く丸い窓枠で、のんびり穏やかな時間が流れる。
数十分後・・・
ドーナツを食べ終わったシロンは、丸いおなかを上にして横になっていた。
「美味かった〜v」
「それは良かった・・・ところで、シロン?」
「ん〜?」
わるっちょはねずっちょに覆い被さるようにして顔を覗き込み、そっと頬を撫でた。
「付いてますよ?」
「何が?」
「チョコレート。ほら・・・」
「んっ!?」
ランシーンはシロンのチョコレート塗れの口元を舐め、ニヤリと笑った。
一瞬のことだったので、シロンはきょとんとしてランシーンを見た。
「え?」
「ほらここにも・・・ここにも」
「ちょっ!?やっ、ん!」
シロンの全身についたチョコレートカスを、ランシーンは指摘しながら舐め取り始めた。
食べるのに一生懸命だったシロンは、まるでシロン自身がチョコレートの海から出て来たかのように体中にチョコレートが付いていたからだ。
ランシーンに丁寧に舐め取られるシロンは、頬を赤く染めて逃げようと焦った。
「んっ、あっ・・・ラン、シーン!待っ、ひゃっ!?」
首筋に顔を埋めたランシーンに噛み付くようなキスをされ、シロンはビクッとして目を丸くした。
ランシーンはそのまま唇を滑らせ、文句を言おうと開いたシロンの唇に舌を差し入れ口内を蹂躙し、シロンの舌を絡ませた。
シロンは息が苦しくなって顔を逸らそうとしても後頭部をしっかりとランシーンに捕まれ、身動きが出来ない。
抗議のためにランシーンの背中を叩いていた小さな両手も、今では小刻みに震えて翻弄してる張本人に縋りつくしかできないでいた。
「んふ・・・ふあ・・・あ・・・」
甘い吐息が口から零れ、潤んだ瞳でとろんとランシーンを見るシロンに、抵抗の意志はもはや無い。
ちなみにそんな姿を見たランシーンは、すでに理性の箍が空の彼方に吹っ飛んでいた。
シロンの全身についたチョコレートを、丁寧に丁寧に舐め取って行く。
「んぁ・・・ふ・・・や・・・」
まだ理性が残っているのか、シロンは身を捻って逃れようとし、ランシーンに逆にうつ伏せに組み敷かれてしまった。
背中の小さな翼の付け根を舐め上げられ甘噛みされ、シロンは甘い悲鳴を上げた。
「うあ・・・あああぁ・・・っ!」
シロンがビクンッと背中を逸らせた隙を逃さず、ランシーンは器用に腕を回してシロンを仰向けにさせた。
不安に揺れている涙で溢れた瞳に宥めるような笑みを見せ、そっと目尻の涙を拭うついでに再び激しいキスをした。
「んんっ・・・!」
そのまま唇を滑らせて、胸へ腹へと移動していく。
「あっ・・・ふ、ぁ・・・は・・・」
ランシーンは開いている両手でシロンの脇腹を撫で上げ、いつのまにか手袋を取った手でそっと秘所に指を差し入れた。
「やあぁっ、んっ!」
ランシーンは知り尽くしたシロンの悦ぶ場所をピンポイントで攻め、触れる度にビクビクと反応するシロンの甘い声を堪能する。
「ぁっ、ん・・・ふ・・・」
小さな両手で口を塞ぎ、流れる涙はそのままに目を閉じて、一生懸命声を抑える姿がとても可愛らしい。
シロンのそんな姿を満足そうに見つめ、ランシーンはシロンの中に入れた指を大きく少し乱暴に動かした。
「んやあぁっ・・・あっ、もう・・・らんしー、ん・・・あんっ」
「・・・頃合ですかね」
秘所を広げるようにしながら、ランシーンはことさらゆっくりと指を引き抜き、シロンに覆い被さり優しいキスを贈った。
「んっ、ふ・・・あ、んん・・・」
ランシーンのキスにシロンが頬を染めて夢中になって応えているのを細目で確認し、ランシーンは一気にシロンを貫いた。
「んんんん――――――――っっ」
シロンの叫び声に近い嬌声を飲み込み、背中に縋りついているシロンの両手の爪を立てられた痛みさえ、ランシーンにとっては嬉しいものでしかない。
飲み込みきれなかった唾液がシロンの口から零れるとやっとシロンをキスから解放し、ランシーンは腰を動かしてシロンを翻弄した。
「あうぁっ、ゃあっ・・・らん、しー・・・んっあぁぁ・・・っ」
「・・・本当に、イイ声だ・・・」
「やあぁぁぁっ!そこっ、だめぇ・・・ゃ、ぁんっ」
「・・・ここか?」
シロンが泣き濡れた瞳を見開き大きく仰け反った。
ランシーンはシロンの一番弱い箇所を重点的に責め、シロンはランシーンの腕の中で高く甘い嬌声を上げて何度も痙攣したように震えた。
「やっ、ん・・・あぁん・・・らん、しー・・・らめぇ・・・っん、もうっ」
「シロン・・・愛しています」
「ぁっ、やあああぁぁぁ・・・っ!」
ランシーンの背中に手を回して縋りついていたシロンは一瞬硬直し、一際高く啼いた。
ほぼ同時にランシーンも息を詰め、シロンへの想いの全てをシロンの内側に注いだ。
数分後・・・
行為によって気を失ったシロンを、後始末を全て終えたランシーンは包み込むように抱き締めていた。
頬に涙の後は残っているが、とても幸せそうな寝顔を浮べて眠るシロン。
自分の腕の中で非常に無防備で自分を頼り切った様子のシロンに、ランシーンは心底から幸福感に満たされていくのを感じる。
数奇な運命の中でやっと結ばれることができた、何よりも誰よりも愛おしい半身。
もう二度と手放すことなどできない、今度もし失えばおそらく気が狂うだろう。
どうにか地球に帰り着き、今のねずみのような姿のシロンに再会した時・・・自分の姿を見た瞬間に飛びついて来て喜びながらも大泣きしたシロンの嬉し泣きの満面の笑顔を見た時、
理性の箍が外れて自分の想いをシロンにぶつけ、シロンの想いを知り理解した。
それ以来、外れ易くなった自分の理性の箍にシロンは少々困っているようだが・・・まぁ、良いだろう。
時折優しくシロンの背中を撫でながら、ランシーンは飽きる事無くシロンの幸福そのものの寝顔を見守っていた・・・・・・。
たとえ本来の姿でなくても。
たとえ本来の力が発揮できなくても。
この平和で愛に満ちた生活に、心から幸せだと思える。
これからも最愛の存在と共にありたい。
それは互いに想う、同じ願い。
“どうかこれからも永遠に一緒に・・・”
寄り添いあった2匹を、優しい風が包み込むかのように吹き抜けていった。
End.