色あせた翼 寄る心 裏章2
朦朧とする意識の中
体を動かすのは本能か・・・
餓える・・・
渇く・・・
それを埋めてしまおうと
体は獲物へと向かう
口の中に広がる生暖かい何か
それが何なのか気がつくと
一気に意識が帰ってくる
「これは・・・・・血?」
床一面は血に真っ赤に染められた絨毯のようで・・・
自身はその中心に座っている
その傍らには・・・血に染まる黒い翼
「あ・・・あ・・・・・」
「どうしました?早く食べてしまってくださいよ。随分残酷ですねぇ、半端にされても苦しいだけですよ?」
「ぅあぁ〜っ!!!!・・・はっ!?」
気がつくと血の絨毯は消えており
夢だったかと胸を撫で下ろす
「ランシーンは!?っと・・・」
無事を確認せねばと立ち上がろうとするシロン
それによりその存在が自身に抱きついていたことをようやく知った
寝顔は初めて見るが、安堵の表情と心地よさそうな寝息から心配は無いだろうことは分かった
「無事か・・・ふぅ・・・・・うっ」
気を抜くと同時にため息にも似た深呼吸をしたシロン
その鼻腔を衝く匂いがシロンの脳を揺さぶった
「また、頭がおかしくなっちまいそうだ・・・
そうだ、意識を失う前に確かこんな匂いを嗅いで・・・」
徐々に記憶が戻ってくるシロン
しかしその記憶が更にシロンを揺さぶり・・・
「だーっ!しっかりしやがれっ・・・!」
呼吸を荒くしつつもなんとか自分を抑え
惨事の後始末を終える
その頃にはたち込めていた匂いも薄れ
大分心が落ち着いてくるのが分かった
「あとは・・・こいつだな・・・」
カムバックでもしてもらえれば
一発なんだろうけども
こいつがサーガと一緒に居る所なんて
見たことが無いしな・・・
後始末の際に散策した時
ランシーンの生活スペースらしき場所を見つけていた
どでかいシャワールームもあり
そこへランシーンを抱えて連れて行った
それにしてもまだ目覚めないか
それほどまでに俺が・・・
って何かしがみ付いてくるんだけど
こいつ本当は起きてないか?
全ての始末を終えたところで
これまたどでかいベッドに寝かせてやった
「えっと・・・・・」
この後どうする?
まずは寝起き一発に謝るか?
なんともねぇとか何とか言いながら
あんなことしちまったし、
なんか仕返しとか怖いし・・・
んでもそろそろ戻らないとサーガ達が心配・・・
ってするわけねぇか
もう少し居てもいいだろ・・・
居る気かよ
というかなんで俺はあんなことをしちまったのか・・・
普通じゃねぇ、
普通じゃねぇよな・・・?
「わけわかんねぇ・・・一旦戻るか」
一向に起きる様子を見せないランシーン
それに頭の整理もしたいところだ
シロンは一旦この場を離れることにした
「シロン・・・・・?」
意外にもすぐに目覚めたランシーンを
その場に残して・・・
「で、数日か・・・」
シロンはサーガの元へ帰りカムバックした後
再びリボーンする機会を失っていた
少し間を空けすぎたから
向こうから来るのを待っていたんだが・・・
ランシーンが手を出してこなければ
普段の生活は平和そのもので
こんな状態がいつまでも続いてほしいとも思う
だが・・・
「やっぱり、あのままはまずかったか?」
あんなことをされて普通は黙ってないだろう
すぐにランシーンは何かしらの行動を起こすだろうと
心の中ではしっかりと準備していた
しかし全くと言っていいほど
ランシーンに動きが無い
逆にそのことが
ランシーンの事を心配させる要因になっていた
何で俺はあいつの心配をしてるんだ?
いつも頭の中から離れねぇ
いいじゃねぇか別に
俺やサーが達はあいつに散々
迷惑していたはずだ
それに今回も最初は
あいつとの決着をつけるつもりでいたんだ
だが会った時の様子がおかしくて
結局踏みとどまってしまったんだよな
いや、なんか踏みとどまってねぇけど・・・
「拒絶できないのはなんでなんだろうな・・・」
むしろこの心は・・・
考えれば考えた分だけ
その答えにたどり着いてしまう
その事に何故だと少々苛立ちを覚え
一度舌打ちをしてそれを振り払い
ダークウィズカンパニーの
ランシーンの居た部屋を目指していった
「この匂いは・・・・・!」
その部屋の入り口付近まで来ると
嗅ぎ覚えのある匂いがしてくる
自身の理性を奪い取る甘美な・・・
グラつく頭に喝を入れつつも
シロンは誘われ、その場所に引き寄せられていく
「うぅ・・・あんぅっ!・・・し、ろん・・・」
ベットの上の主は喘ぎ声を上げつつ
シロンの名を呼ぶ
こちらに気がついていないランシーンの元へ
シロンは歩み寄る
「ぅあぅっ!シロんぅっ!?うぅっ!見ない、で・・・くだ、さい・・・」
「何やってんだよ、お前・・・」
見るとランシーンは既に服を身に着けておらず
の尾口の中では・・・
一体どうやって入手したのか
体に見合ったサイズの
バイブレーターが差し込んである
周りに誰もいない上にランシーン自身
自由が利く状態だという事を考えると
恐らく自身の意思によって装着されたものなのだろう
「何でだ?今、俺のことを呼んでたじゃねぇか」
「そ、れは・・・・・むぅうっ!?」
シロンはバイブレーターを抜き取り
ランシーンを抱き寄せる
「なあ、お前もなのか?俺のこと、気になる?」
「そ、んなこと・・・っ!」
「無理すんなって、震えてるぜ」
「んっ・・・・・」
シロンが口付けをすると
それに応えるように深く口付けてくる
ゆっくりと口が離れるとランシーンは
恥ずかしそうに目を逸らし
言葉を捜しながら話し始めた
「頭から、離れないんです・・・」
「ん・・・・・?」
「何かを怨んでいたわけでもない、行ってきた破壊的行動の理由が分からない
いや、以前は何かが見えていたのだ。だが、今は何も見えない・・・
私はどこへ向かっているのだ?
地球を救うため?破壊しているのは私の方だ」
何の為に生まれてきたのだ?
破壊するためなのか?
「そう考えると自分自身が怖くなった・・・」
自分が世界を滅ぼそうとしていたならば
いずれはまた同じことを・・・
「不安で、不安でたまらなかった」
自分自身がレジェンズは地球を救うための存在と言っていた
人間を滅ぼせと、戦うのだと・・・
だが対立するレジェンズが居るのは何故だ?
しかも反する意見を述べるのは
戦いの中心に居るべき四大レジェンズだった
「消えるべきなのは私なのではないか?と・・・」
次々と襲う不安と自分自身の存在の矛盾
「だがシロン、貴方の傍に居る間はそれも薄れた。喰われるような行為にも不安よりも安堵の方が大きかった。
快楽に溺れたならばそれも止むを得ないと思い、己を保つ為にと色々試してもみた・・・」
だがどれほど快楽を得ようとも
心の闇が晴れることは無かった
「シロン、私は貴方が・・・・・」
「ランシーン・・・」
「抱いて、いただけませんか?」
「・・・もう、知らねぇぞ?」
「私を・・・貴方で塗り潰して下さい」
その言葉を合図にシロンはランシーンの首筋にかぶり付く
「ふっ、ぁあああうっ!?」
甘噛みの度を越えたその咬む力に
思わず声を上げてしまう
その上ずった声に中てられ
更に咬む力を強くしてしまう
ああ、本当に喰っちまいそうだ
抱いていた手を離し
ベットにランシーンをうつ伏せに倒すと
尻尾を掴み、腰を浮かせる
「あ!シロンっ・・・!しろっ、んっ!!」
「あぁここに居るぜ、はぁ・・・っ!ここになぁっ!」
「うっ!あっ!うっ、あぁあああ〜!!んっ!」
バイブレーターによって
以前よりも更に拡張されているその箇所は
シロンの性器をあっという間に飲み込む
やべ、本当に気持ちいい・・・
程なくして腰を動かし始めるシロン
もたらされる強い刺激に耐えられず
静止をかけようとしているのか
ランシーンは何度もシロンの方を振り返る
しかし反応してしまう体がそれを遮るように
体を仰け反らせ、振り出しに戻してしまう
更には暇をもてあましていたシロンの口が
暴れまわっていた尾を捉える
そしてその箇所への刺激が始まると
もはや振り向く余裕も無くただ喘ぎ声を上げるのみとなった
敏感な尾から来る刺激は
伝わって性器の神経を刺激する
その間接的な刺激も、敏感になっている体は
直接性器に刺激を加えられるのとさほど変わらず
ランシーンはすぐに限界を迎え、達してしまった
「うっくっ!はぁあああう・・・あ、あ!ああっ!」
しかしシロンはまだ達せておらず
腰を動かし刺激を続けていた為に
達している最中にも刺激を加えられ
限界を超えた快楽がランシーンを襲った
「あぁっ!あああああああああああああああっ!!」
吐き出し終えると
ガクリとベットに沈み込むランシーン
しかし飛んでしまった意識も
続けられている刺激に呼び戻され
休む間もなく喘ぎ続ける
そしてようやくシロンに限界が訪れはじめたのだろう
腰の動きが早くなる
そして同時にその瞬間を迎えた
「はぁ、はぁ、ランシーン・・・!ランッ!」
「んはあああああんっ!あああ・・・・・」
シロンは一度目である為に大量にランシーンの中に放つ
その熱いものが流れ込んでくるたびにランシーンは
満たされていくのを感じる
完全に思考は塗りつぶされ、完全に不安や恐怖が
取り除かれていく・・・
笑みを深くし、余韻に浸る
「シロン・・・・・」
「なんだ?はぁ・・・もう止めるなんて言うなよ?」
「この体勢では・・・・・・・うぅ・・・」
抱きつくことも触れることもできない
顔を見ることもままならない、と
「ん、そか」
「分かるのですか?」
「なんとなくな」
言葉にするのが少し恥ずかしかったのだが
理解されてしまうのもまた恥ずかしい
その表情が見られる前にと
体勢を変えるとシロンにすぐに抱きついた
「可愛いやつだなほんと」
「っ!・・・あうっ!」
そして行為は再開され
お互い気の済むまで続けられた
またランシーンが気を失うことになってしまったが・・・
「あーぁ、またやっちまったよ・・・」
後始末は大変だ、と
一つ背伸びをして作業を開始しようとした
その時・・・
「あれ?俺の翼・・・はっ!?」
一瞬フラッシュバックのような映像が見えた
それが何なのか分からなかったが
確かに見えた
大量のレジェンズと
巨大な何か・・・・・
「わかんねぇ・・・今のはなんだ?」
それに俺の翼・・・
何だか黒くなっているような・・・
いや、黒かったような?
今はもう元通りになっている
「なんなんだ一体・・・まだ頭の中おかしいまんまなのか?」
ふっ、と一つ自身を嘲笑・・・ったのだが
その笑いも一瞬で消えてしまった
ランシーンにふと移した視線
そこに映るのは
以前よりも白い範囲が広がった
ランシーンの翼
「こりゃあ一体・・・うぅ・・・」
頭が割れそうな感覚・・・
以前聞いた言葉や状況が徐々に一つの答えを導き出していく
まだ目覚めていないようだね
色あせるランシーンの翼
黒く染まりかけた自身の翼
ランシーンに見えていた何か
今自分に見えた何か
そして・・・
『一つに・・・』
「そういう、ことかよっ!」
たどり着いた恐らく間違いの無い事実
このままではだめだ
だが、どうすればいい?
そう考えている間
ずっとランシーンから視線を離す事ができなかった