色褪せた翼 寄る心
だがそれがわかったからといって全てが解決した訳じゃない
サーガ達はこれからも危険にさらされることになるだろう
約束を破っちまうことになっちまうが
俺はサーガと共に今度こそあいつらと決着をつける
決着がつけば多分・・・
それで全てが終わる
「え?会社に行きたい?」
そう声を上げたのはシュウの親父のサスケさん
偶然繋がっちまってるわけだが
親父さんは敵の本拠地ともいえる
ダークウィズカンパニーの社員だ
シュウ「うんうん!なんかほら!たまには父さんの
頑張っている姿を目に焼きつけたいわけよ!」
サスケ「それは照れるなあ・・・」
ダークウィズカンパニーは表向きただの玩具メーカーだ
特に両親に心配がかかる事はない
サスケ「でもそれには許可とか色々取らないと・・・」
シュウ「いいから行くの行くの!」
俺はあいつに正直に話した
難しくて理解できないだろうと思っていたが
どうやら事態はすっかり飲み込めたらしい
ここは任せておくか・・・
相変わらず風のサーガは押しが強い
案の定押し切ってくれたようだ
全ては明日・・・
シュウ「ほ〜!でっけ〜ビルだな〜!」
こういう時だけはこいつの無駄に張り切る性格がありがたい
その方が何も悟られずに済むからな
サスケ「結構広いから迷子になるなよ?」
親父さんの開発部にたどり着いた所で合図を送る
シュウ「あ、父さん・・・トイレどこ・・・」
サスケ「なんだよ、これからがいいところなのに」
シュウ「ゴメンゴメン!・・・でもちょっと腹が痛いかも・・・」
サスケ「向こう曲がって突き当たりだよ」
シュウ「サンキュー父さん!」
サスケ「大丈夫かなあ・・・」
シュウ「・・・んでどうすりゃいいの?ねずっちょ」
シロン「ガ〜・・・」
考えて無かった・・・
いや、小窓の一つもあるかと思ったんだが
ここはかなりの高層ビルだからなあ・・・
これじゃあ外にリボーンってわけにもいかねえ
シュウ「がーじゃわかんねえよ。ほいじゃカムバッ・・・」
シロン「ガガー!!」
シュウ「ぐべっ!?」
バカやろう!こんな狭い所でリボーンしたらどうなるか・・・
シュウ「なんだよいてえな・・・どうするってんだよ?」
通気口しかねえな・・・
シュウ「じゃあ頑張って帰って来いよ!」
お前も行くんだよ!!
・・・帰って来い、か・・・・・
風の気配を頼りに右へ左へ
時に上に
シュウ「無理だろ!」
やかましい!
だんだん近づいてくる
ランシーン・・・忘れられねえあの風・・・!
ようやくそれらしき部屋まで来たようだ
俺はサーガに合図を
シュウ「噛むなよ・・・!わかってるって・・・」
通気口から部屋の中に向かってリボーンをしてもらった
間違いない。目の前にはあいつがうずくまっている
シュウ「やべ・・・戻り方わかんね・・・」
シロン「ん・・・」
シュウ「ほえ?ええええええ!?」
親父さんも心配するだろうからな
風に乗せてさっきのところまで帰しておいた
ここから先はレジェンズである自分の仕事だ
シロン「よぉ・・・」
ランシーン「っ!?」
驚愕の表情でこっちを見る
どう考えてもバレバレな登場なはずだったんだが
気がついてなかったらしい
シロン「色々聞きたい事がある・・・拒絶するなら無理にでも」
そう言って俺はグローブをはめ直す
ランシーン「来るな・・・!」
シロン「・・・ん?」
いつもと様子が違う
何でそんな目で俺を見るんだ?
シロン「な・・・お前翼の色が・・・
こないだのままなのか?一体それはどういうことなんだ!?」
本当に質問したかったこととは別の質問を投げてしまっている
レジェンズのこと、サーガのこと、色々聞きたいことがあったんだが
色あせた翼
他人事には思えなかった
ランシーン「来るな・・・来るなっ!」
シロン「待てって!」
追って行くとあいつがいつも乗っている・・・
乗り込んで逃げるつもりか
今日はさせねえ
シロン「ウィングトルネード!」
ランシーン「くっ!?」
ランシーンごとぶっ飛ばして即座に詰め寄る
シロン「らしくないぜ?何で逃げる」
ランシーン「お前は・・・」
シロン「ん?」
ランシーン「お前は・・・私に何をしたのだ!?」
シロン「なに・・・?」
ランシーン「何故私の翼は色あせた!何故私の力は奪われた!」
シロン「何を言って・・・」
ランシーン「何故・・・何故・・・!」
シロン「お前・・・」
シロン「震えてるのか?」
ランシーン「うっ!?離せっ!」
俺はランシーンの色あせた翼を掴む
そうすると流石にランシーンはいつものような表情で
俺のことを必死に睨む
シロン「そんな・・・顔するなよ・・・そんなんじゃ
何にも聞けねえよ・・・」
そう言って俺は手を離す
ランシーンは息が荒く
なんとか気持ちを落ち着けようとしているようだ
ランシーン「以前はこんなことなど無かった・・・
全てが見えていた・・・だが
今は何も見えない・・・
自分の事さえも・・・
なんなのだ・・・この不安・・・恐怖は・・・」
シロン「なんだ・・・
今は俺もお前も分からないことだらけなんだな・・・」
何かが終わったわけじゃない・・・が
少し安心したような気がした
不安なのは俺一人じゃない
そういう気持ちもこいつと
分かち合えるような気がしたから
終