―愛が為に―
皆様こんにちは
危機です
本日も私(わたくし)ことダンディー経営のお店
「ワニの穴」にて経営存続の危機です
と、言いますのも
どうやら最近、兄貴とボス
あ、シロンさんとランシーンさんのことですね
この二方の仲が急接近したようで・・・
あ〜・・・兄貴が離れていく・・・
す、すみません
経営存続の危機というのは
私のモチベーションとかそういうものではなく
周りの状況に起因するものでしてね
私はシロンさんの幸せを願っております!
応援させていただきますとも
しかし・・・・・
「おいマスター、もう一杯だ」
シロンさん、ランシーンさんと同席してしまった
グリードーさん
グリードーさんもその気があったのですねぇ・・・
シロンさんランシーンさん急接近、そのことを知った途端に
随分と飲み始めましてねぇ・・・
しかも落ち込んだせいか、炎の力が弱まっているみたいで
体内のアルコール分あんまり飛ばないみたいで相当酔って・・・
「飲みすぎじゃないですか?グリードーさん」
「あ〜?俺に飲みすぎなんて言葉はねぇよ」
いつもの心やさしい雰囲気はまったくありませんねぇ
やはり相当悔しいようで
それにしても一方のこちらと言えば・・・
「ランシーン・・・んぅ・・・」
「おやおや、随分と酔ってしまったようですねぇシロン」
さあさあ寄りかかって下さい、と誘導ですか
ああ、羨ましい・・・!
できることならその場を譲ってほしいくらいですね!
ピシッ!
あっ・・・!
「グリードーさん、コップ取り替えますね・・・
ああ、新しいのに取り換えた方がよさそうですね」
ここは平常心!平常心ですぞ!!グリードーさん!
共にシロンさんの幸せを願うものとして!
フッフッフッフッ・・・
なんですかこの黒いオーラは!?
・・・ああっランシーンさん
ランシーンさんから不敵な笑みが!
しかも見事な見下す角度でグリードーさんを!
これは売っています、喧嘩を売っています!
何故何もしゃべっていないのにランシーンさんから
笑い声が聞こえてくるような気がするのでしょうか!?
ああ・・・やばいですね
やはりというか、室内温度が急激に上がりました
とりあえず火事にならないといいですが・・・
「ん・・・あつ・・・い・・・」
「シロン・・・大丈夫ですか?」
そうですよね・・・私もこの暑さは堪えます
ん?徐々に温度が・・・
ああ、シロンさんの暑いの一言で
グリードーさん平常心に戻ったようです
シロンさん効果絶大です!
これで何事もなく納まってくれればよいのですが・・・
フッフッフッフッ・・・
ああっ!ランシーンさんまたっ!
勘弁して下さい!煽らないでください!
今度は表情に皮肉混じりというか・・・
嘲っています!これは嘲っています!
流石にこれにはグリードーさんもにらみ返しました!
この冷戦は・・・本当に言葉が聞こえてくるようですよ!
『あーあー、暑苦しい、そうですよ?そこのブレイズドラゴンさん』
『増長してんじゃねぇよ、腹黒さが翼に出ているウィンドラゴンさんよ〜』
『早く、ここから出て行ってもらえませんかねぇ、ムードが壊れます』
『てめぇ何かに任せてシロンを置いて行けるかよ!?」
『この状況を見て本当にそんなことが言えますか?』
「ん〜・・・ラ〜ン♪」
『う・・・』
『さあさあ出て行っていただきましょうか、シロンの為を想うならねぇ!』
あ、グリードーさんの翼の炎が消えました
「グリードーさんどうぞ、スゥイートダンディー(アルコール強め)です」
「ああ・・・さんきゅーな、マスター・・・」
「マスターさん、こっちには水を・・・」
「はいかしこまりましたっ!」
「シロン、飲んで下さい。すっきりしますよ?」
「んっ・・・んぐっ・・・」
ああ、ランシーンさんに水を飲ませてもらって・・・
随分と心許しているんですねぇ
完全に無防備!やりたい放題ですね、今なら
ガシャン!!
あっ!!
「グリードーさん!大丈夫ですか?すぐ新しいものをっ!」
こうして、シロンさんとランシーンさんの間には徐々に甘い空気が
グリードーさんはどんどん荒れた空気が漂っていきました・・・
グリードーさんのシロンさんへの想いを考えると
ここまで明暗が分かれてしまったのが気の毒ですねぇ
「ああシロン、水、少しこぼれていますよ?」
「やーめーろぉー!!!」
後日・・・・・
「よお、シロン、ランシーン」
「おぉ、グリードーか」
「ちっ・・・こんにちは、ブレイズドラゴン」
「ちって、今・・・まあいい。俺は決めたぜ」
「ん?何がだ?」
「・・・・・」
「俺はお前らを応援することに決めた
だが!俺はシロンに関することにおいては
ランシーン!お前には負けないぜ!!」
「ほぅ・・・・・」
「・・・・・何言ってんの?グリードー・・・」
「夜にシロンは何時に寝ているか知っているか!?」
「ぬるい・・・夜10時くらいだ」
「へ?」
「シロンの好きな色は何だ!?」
「フッ・・・白」
「おいおい・・・・・」
「趣味はっ!?」
「テレビ観賞・・・ですかね?」
「残念だな、見てるのはアメリカンVシネマだ」
「何っ!?」
「お前ら・・・」
「風呂に入る時はどっちの足からっ!?」
「それは右だろう!」
「正解だ、だがこれを見ろ。左足から入るレアな映像だ」
「何だとっ!?」
「ウイング・・・・・」
「おおっ!これはしかも少し温度が熱過ぎたのリアクションが!」
「どうよランシーン、なかなかのもんだろ?」
「トルネードぉ!!!」
「「どわぁああああ!?」」
「あいつらいったい・・・いつから・・・どこで・・・」
シロンさん、お幸せに・・・
終わり