私の名前はダンディー
デヴォアクロコダイルという種族の水のレジェンズです
・・・・・ん?
クロコダイル?
ワニ?
ワニ言う奴がワニじゃー言うとるやないか!

・・・あれ?

ご、ゴホン・・・
ともあれ私ダンディーは
現在ワニの穴というカフェを経営しています
最近はお酒も取り扱うようになりましたがね・・・
今では、マスターとも呼ばれています

しかし、そんな私も昔は色々な事をしてました
ネゴシエーター(交渉人)として
各地を回ったものです・・・

会社の利益のために善悪を捨て
ありとあらゆる仕事をこなしてきたものです

しかし、そんな私を変ええてくれた方がいました
それは我等が心の兄貴シロンさん!
四大レジェンズともいわれるその中でも一番上に立つウィンドラゴン
そんな種族であるシロンさんは力というものに固執せずに
『愛』という本当の強さを説いてくださいました
私は心を入れ替える事となり
その結果、今はこうした穏やかな仕事に就いているわけです

いえ、戻ることができた、というのが正しいでしょう
遠い昔、私はこういう仕事をしていたのですから
自分の最高の仕事に戻ってこれたのです!

とはいえ
こうしたサービス業にもいろいろ問題が付きまといます
それはやはりお客様同士のトラブルであったり
お酒がらみだったり・・・
とにもかくにもレジェンズが来る店ですからね
実力行使になることも珍しくないんですよねハハハ・・・

「なあダンディー、折り入ってひとつ相談があるんだが・・・」

そう声をかけてくださったのはブレイズドラゴンのグリードーさん
この方も四大レジェンズなのです
この店には度々こうした大物が来て下さいます
ありがたいことです
こうした相談に乗るのも大事な仕事のひとつですよ!

ダンディー「どうかしましたか?グリードーさん」
グリードー「ああ・・・実は俺たちのコンビについてなんだが」

ダンディー「ああ!GWニコルのことですよね?」
グリードー「ああ、それなんだが」

三人だからトリオじゃないの?とか言う突っ込みは無しですよ!

グリードー「実はあいつらにコンビを解消したいと言われてしまってな」
ダンディー「なんと!?それは本当ですか?」

グリードー「・・・今日は酒をお願いしてもいいか?」
ダンディー「・・・かしこまりました」

珍しいこともあるものですね
ヴォルケーノ、火の属性であるグリードーさんは
どうせアルコール分が燃えて飛んじまうから意味がない
と仰っていたのにもかかわらず酒を頼むとは・・・

おや?あっという間に酔い始めてしまいましたね・・・

ダンディー「サラちゃん・・・これどういうこと?」

私が声をかけたのは私の友達であり
ワニの穴の従業員であるサラちゃんことサラマンダー
彼もヴォルケーノですからよく知っていることでしょう

サラちゃん「ん〜と、あれはですね、きっと酔いたいんですね」
ダンディー「というと?」

サラちゃん「意識的にアルコールを飛ばすことができますからね
きっとその気も起きないのでしょう。割と酒を飲んでアルコール飛ばしたときの
火力アップする感覚は気持ちいいのになあ」
ダンディー「なるほど・・・」

ということはよほど落ち込んでいるのでしょう・・・
何とかしなきゃなりませんね、この私がっ!

「よぉマスター!お邪魔するぜ〜」
「お邪魔しま〜す!」

ま ず い

いらしたのは渦中のGWニコルのお二人
ウォルフィーさんとリーオンさん

グリードー「よぉ・・・」
ウォルフぃー「珍しいな、いたのか」
リーオン「おっす!グリたん」

グリードー「たんはやめ・・・いや、なんでもねぇ・・・」

ああ・・・やっぱり空気がピリピリしてきましたよ?
ウォルフィーさんもリーオンさんも酒を頼まれました
いやな予感がしてきます・・・

グリードー「俺はお前らもサーガも大事なんだ
お前らにばかり構ってられないのはわかるだろ?」
ウォルフィー「構ってられない?
だからサーガのことを中途半端にしないように言ってるんだろうが」

グリードー「誓い合った仲じゃねえか・・・」
リーオン「半端にされてて誓いも何もな〜・・・」

売り言葉に買い言葉・・・もう、駄目なのでしょうか?

グリードー「ふざけんじゃねえぞお前ら!!」

ああ・・・これはもう・・・

ダンディー「やるしかねえな」
サラちゃん「ま、マスター・・・?」

ダンディーの起こした水流がGWニコルの三人を店の外まで押し流す

ダンディー「目ぇ覚めたかい?他のお客さんに迷惑だ。店の外でやりやがれ」
サラちゃん「まままマスター!それはまずいですって!」

リーオン「目、覚めたけど」
ウォルフィー「流石にこれは」
グリードー「やりすぎ、だよなあ・・・」

ふふふ・・・凄い視線で睨んでらっしゃる・・・
そうでしょうとも、でもこれしかないんですよ・・・!

サラちゃん「ままままマスター!逃げてくださいぃ!」
ダンディー「その目に焼き付けろよっ!これが俺の答えだっ!!」

GWニコル「「「G・W・ニコルクラッシャー!!!」」」
ダンディー「ぎょえぇえぇえぇええ〜!」
サラちゃん「マスター!」

ここで、ここで終わってはいけない・・・この言葉を伝えるまでは・・・

ダンディー「ヘヘヘっ、お前ら三人、息の合った最高の一撃、だった・・・ぜ・・・」
サラちゃん「マスターーーーー!!」

ウォルフィー「確かに・・・」
グリードー「よかったなあ・・・」
リーオン「息もぴったりって感じ?」

ウォルフィー「その〜・・・続けるか!」
リーオン「そだな!」
グリードー「やっとその気になりやがったか!」

ああ・・・笑い声が聞こえてきます・・・
どうやらうまくいったようですね

サラちゃん「マスター!マスター!!」
ダンディー「大丈夫ですよ・・・見ていてくれましたか?」
サラちゃん「はいっ!しっかりと!!」

グリードー「あ〜・・・その、色々すまねぇ・・・世話になっちまったな」
ウォルフィー「なんかしてやれればいいんだけど・・・」
リーオン「回復できる技とか持ってないんだよね〜・・・」

ダンディー「何のこれしき、これくらい自分で何とかします!
仲直りできてよかったですね」
グリードー「あぁ、世話になりっぱなしだな、最高のマスターだ
すまねえがこれからもよらせて貰うぜ」

ダンディー「これからもどうかごひいきに・・・」



とはいえ、これではまともに仕事ができないですねえ・・・

ダンディー「店、任せてもいいかな?」
サラちゃん「勿論ですよ!マスターは休んでいてください!」

頼もしい限りですね・・・

ダンディー「デヴォアキュアリ・・・む?」

こ・・・この気配はっ!?

ダンディー「サラちゃんっ・・・!」
サラちゃん「ま、すたー、は、やす、ん、でて・・・」

駄目ですよ・・・この方々の相手は私でなくては・・・!
厄日ですね・・・まさかシロンさんとランシーンさんが揃って来店するなんて・・・!

シロン「何さっきからガンくれてんだよ・・・!?」
ランシーン「いや、そのアホ面を見ているとよく酒が進みましてねえフフフ・・・」

10分後、私はまた宙を舞う事となってしまいました・・・

ダンディー「デヴォアキュアリム
デヴォアキュアリム・
デヴォアキュアリム・・
デヴォアキュアリム・・・」
サラちゃん「マスター・・・・・」


頑張れダンディー
負けるなダンディー
いつか報われるときが来るさ
苦労している君のことをわかってくれる人がきっといるさ







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