メグ「また・・・今日も?」
ここのところ帰る時間になってもシュウは必ずと言っていいほど
先に帰ってくれと言う
シュウ「うん!先に帰ってくれなっ!」
メグ「うん・・・」
マック「メグ!帰るんだな!」
メグ「あっ!ちょっと・・・!」
マック「大丈夫・・・なんだな・・・」
メグ「うん・・・」
二人が帰った後、シュウはシロンと共に窓辺で風を感じる
シュウ「なあねずっちょ・・・」
シロン「ガ〜?」
シュウ「いい・・・風だよなぁ〜・・・」
シロン「ガ〜・・・」
シュウは何かをするわけでもなく、ただこうして風を気が済むまで
堪能してから帰っていくのだった
シロン「ガガガガガガーガガ!!」
シュウ「うわっ!いっけねっ!遅くなっちまった!!じゃあまたなっ!」
辺りは大分暗くなってきていた
早く帰らなきゃいけないのにいつもよりシュウの足取りは遅い
少し俯きつつ歩いていると
向こうから誰かが歩いてくる・・・シュウは気がつかない・・・そして
すれ違い様に確かにそれを感じた
シュウ「えっ?風!?」
シュウは振り返ったがそこにはもう誰もいなかった・・・
体を小刻みに震わせ、体を硬直させたまま口だけを動かす
シュウ「うわー・・・きみわりぃ・・・早く帰ろっと!」
シュウはまさに風のごとくその場を後にした
フィン「ん?今確かに・・・」
すれ違ったその者もシュウに気がついたのは去ってしまった後だった
フィン「でもあいつとは違うか・・・まいったなあ」
探しているのは先日会ったばかりの白いうさぎ?な奴
ただでさえ危なっかしいあいつ、放っておけるわけはないし、なんせあいつは
ようやく会えたレジェンズなんだ・・・本物ならばだが
フィン「あ〜・・・どこに行きやがったんだあいつ・・・・いた!」
あー・・・カラスに追われてる・・・ったく
フィン「おいこらっ!!・・・あ」
その威圧的に放たれた声によってカラスを・・・
そしてあいつを追い払った・・・
フィン「待てっての!」
どうやら逃げ脚だけは一級品。
てかこいつ俺から逃げてねえか?
怒ってるつもりとかはないんだけど・・・
フィン「おっし捕まえた。おい!お前なぁ・・・!」
「ぎぃ〜・・・?」
なんでしょうか。といった感じ
明らかに怯えているその威厳なき姿に
フィン「本当に・・・お前レジェンズかぁ?」
ますます疑いの目を向けてしまうのだった
その帰り道
遊び疲れてるのかすっかり眠っているこいつ
しかし寝息を立てているこいつを見るとなんだか落ち着く
まあようやく捕まえたんだし、寝ている今は逃げられる心配もない
だからだろうと納得する
しかしまあ可愛いらしいものだなと自然に笑みがこぼれる
それに答えるかのように穏やかな風が辺りを包み
広がっていく
その風は街を吹きぬけ、穏やかな時間を作り出す
シロン「ンガ?」
その風に気がついたシロンは窓辺から顔を出す
今日はいつもと違った風が吹く
でもとてもいい風だ
やがてやんでしまったその風に懐かしさと名残惜しさを感じる
また・・・この風は吹くのだろうか・・・・
翌日・・・・・・・・・
シュウ「だー!あのきみわりぃことのせいで眠れなかったじゃねーかちくしょー!」
メグ「あ〜・・・ま〜た遅刻してる〜・・・いい加減直らないかねぇ・・・」
マック「やっほ〜シュウ!」
いつもの三人組のいつもの会話
元気なシュウの姿に自然と笑みがこぼれる二人
メグ「きみわるいことって・・・帰りに何してたの?」
シュウ「あー・・すぐ帰ったよ?そんでさあ・・・聞いて聞いて!」
メグの疑問はシュウの新たな話題に遮られた
シュウ「帰りにさあ・・・変な奴に会ったんだよ!」
メグ「なーに?それって不審者!?気をつけなさいよ〜物騒なんだから・・・」
シュウ「それともちょっと違ったんだよな〜・・・・あー・・別に会った訳でもないし・・」
メグ「なにそれっ?」
その話題を話してる最中に先生が入ってくる
「はいは〜い!皆さん授業を始めますから静かにしてくださいねぇ〜・・・!」
と言ってニヤリと不敵な微笑を浮かべる先生に生徒たちはあっさり静まる
シュウ「あ〜・・・ハルカ先生辞めちゃったしな〜・・・自習の頃がなつかし〜!」
マック「ハルカ先生はお父さんが帰ってきたとかでそっちのお手伝いをするために
その会社に行ったんだな・・・ハルカ先生嬉しそうだったんだな!」
メグ「それより聞いた?シュウ、マック!あの先生が元ダークウィズカンパニーの元社長だったっていう噂!
もう社長やめちゃったんだけどなんでも遊びすぎて金欠でしょうがなく
先生をやることにしたんだって!」
その声が届いたのかチョークの手が止まる先生
「どーしたんですか先生?」
「なんでもありません・・・授業を続けますよ〜・・・」
その目は涙でにじんでいた
08.06.25